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大店立地法の時代になり、法律上の調整対象が業界内の利害調整ではなく、出店者の論理と2000年に制定された大規模小売店舗立地法(大店立地法)では、業界の利害調整がなくなり、地域住民との店舗の立地に関する諸問題調整の場へと、その特徴を移し(経済調整→社会調整)、管轄の主体も国から県、政令都市のレベルまで降りてきた。
この大店立地法と改正都市計画法、中心市街地活性化法の三法が、現在の街づくりの法スキームとなっている。
そして市場競争の原理に委ねられた流通業界は、大資本が小資本を、新しいものが古いものを食いつぶす激しい市場競争を生んでいくことになる。
その結果、規制による都市マネジメントが、八方塞がりの状況を生み出してしまった。
市場原理によって大店法が誰からも支持されないものに追いやられ、廃止されたのである。
大手資本百貨店と資本提携、業務提携をしても、多少の延命策でしかない。
業務提携などは、その後にやってくる大手百貨店の大編成によって、大資本の理論であっさり切り捨てられる。
その結果、早晩廃店となり、周辺の駅前商店街と共に廃れてしまう。
社会(消費者)の論理に移ると、ますます市場競争が激しくなり、自然淘汰が繰り返されるようになった。
中小小売店だけでなく、古くからそのエリアの核となっていた老舗の中堅百貨店が、後から出店した郊外の大型スーパー、さらに投資を繰り返して大資本化する上位の大都市の都心部のブランド百貨店、大型専門店との競争に敗北し、廃店を余儀なくされていく。
自然淘汰の構図はこうだ。
中堅老舗の地元百貨店が在る商圏内あるいは商圏を含む郊外に、新しく大型スーパーが進出する。
スーパーは施設が新しく、車が利用できて、品揃えははるかに多く、値段も安い。
老舗地百貨店は、これに対抗するためには駐車場施設を拡充して、建物をリニューアルし、売面積を広げ、社員の意識改革をして、仕入先の信頼を取り戻して新しい市場ニーズに応えなければならない。
しかし、売り場面積、駐車場の拡充は、自分たちで作ってきた大店法、大店立地法により規制されて難しい。
自分で自分の首を絞めてしまったのである。
また、できたとしても、このために必要な資本の調達は簡単ではない。
しかし、これができないと、たとえ老舗の百貨店であろうとも、市場競争で生き残れない。
旧市街地の商業エリアの衰退は、極論を言えば百貨店法、大店法、大店立地法によって業界の利害調整で利権を守ることだけに専念し、ともすれば消費者のニーズを二の次にしてきたツケであったともいえよう。
さらに、本当に魅力あるエリア・都市を作るのではなく、百貨店法の時代から、市場にある強い資本の力に頼りきっていたツケでもある。
現在に至るこれら一連の法整備の欠点は、都市のマネジメントに関する考えが持ち込まれないまま、特に不動産投資、事業投資に関する実務的なノウハウに着目されておらず、目先の利害調整、利権保護でしかなかったことにその問題があったといえよう。
さらに、バブル経済の崩壊とともに、財政難を理由に都市への投資、市場経済が必要とする都市のインフラ整備を止めてしまい、市場競争に都市自体が翻弄されてしまったことにも要因がある。
市場経済に対する規制であったにもかかわらず、市場原理の負の部分である収益の低い商店街等の再生に、まったく機能しなかった。
この駅前商店街の衰退の原因はすべて大型商業施設にあるとして、被害者意識が連呼される。
しかし実際、このような古い中堅の百貨店より郊外の大型スーパー・上位の都市の大型百貨店を選んだのは、消費者である。
そして、消費者の購買を勝ち取ったのは、市場ニーズに合わせてビジネスモデルを展開した大型商業施設である。
しかし、その大型商業施設の勝者であるはずの大都市百貨店といえども、株価が低迷するにつれ、外国資本に乗っ取られる危険が出てきた。
これが新しい市場原理である「グローバリゼーション」である。
常に市場のニーズに対応する知識・流行への対応を必要とする小売店事業であれば、その事業主のモチベーション・年齢によって、ビジネスモデルの寿命には限界がある。
日本の中小零細企業では、日頃の利潤は不動産を介して蓄積されるケースが多い。
シャッター通りと出口戦略“シャッター通り”といわれる駅前商店街は、収益を生まなくなった資産である。
不市場経済下で必要となる公的介入は、保護・抑制する規制ではなく、効率の悪くなったものを早く市場から退場させ、市場経済が魅力を感じる街づくりを行い、都市の市場メカニズムをスムーズに機能させる介入である。
不良資産の処理方法はどのようなものであったか。
バブル経済破綻後の不良資産の処理方法については、ここで改めて列挙するまでもない。
不良資産の多くは、資産自体に問題があるのではなく、運用者に問題がある。
第一にとられなければならない対策は、資産を有効に活用できない持ち主から資産を有効活用できる新しいプレーヤーへ、早急にオフバランス(流動化)させ、すみやかに収益を生む体制へと変えることである。
投資である以上、それが不動産投資であれ一般の事業投資であれ、「出口戦略」が新しいものが古いものを駆逐する。
流通市場にダイナミズムを求める限り、スーパー、専門店、百貨店を問わず、大規模商業施設といえども、激しい市場競争にさらされ、自然淘汰される。
では、「ガリバー」といわれたDは、なぜ経営破綻を起こしたのであろうか。
この問題を通じて、都市の商業施設と都市の生産性について見てみたい。
長年蓄積した資産にポータビリティー(持ち運び性)がなければ、市場経済のダイナミズム(力強い変革・創造の力)にはついていけない。
税制上の事業用資産の買替え特例制度等により資産が移動できないと、たとえビジネスモデルが劣下しても、そこに居続けなくてはならない。
仮に市場が移動しても、もちろんついていけない。
その結果が「シャッター通り」である。
これに補助金を注入して延命することは、まさに不良資産への追加融資で処理を先送りすることと何ら変わりない。
商店街が劣下する前に、商店主にはより多くの選択肢・自由度を与え、その上で、市場経済の中での投資を実践してもらうべきである。
日本の税制・経済システムに、事業承継(投資出口)を推進するためのフレキシビリティ(自由度)がないことが、このような結果を生む要因となる。
そして、このようにして収益性を劣下させた責任は、すべて周辺にできた大型商業店舗に転嫁される。
コンビニエンスストアビジネスでも、登場からたった数年余りで、すでに成熟低成長産業になり、店舗の統廃合を繰り返しているのだ。
Dの破綻原因については、その多くが、すでに分析されている。
例えば、資本の理論によって強い立場を保持し、リベートその他各種のコストに代わるサービスを仕入先に強いたことによって利益を上げるビジネスモデルを作り上げたが、それがかえって本来収益の根源となる競争力をなくし、長い意味で利益を生まない体質になってしまったと指摘される。
これは当時の資本拡大を優先する資本主義にあって、十分考えられる問題点であった。
もう一つ、店舗施設の立地を含めた集客競争力の低下の問題である。
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